空のっぽと雲ひげ

サンドアートとつれづれ日記

正しい違和感

 通常自分より他人優先の嵯峨くんがめずらしく気弱なメールをよこしたので、なんとなく違和感が走った。

 慌てて札幌の自宅に戻って来たところ、「頭がくらくらして気持ちいい」などとぬかしながら、38度ちょっとの高熱でぐったりしている。病院に行こうと言っても「市販の薬で大丈夫」とがんばるので、明日の朝までに下がらなかったら連れてくからね、と約束。夜、ネットでいろいろ調べてみたら、どうもインフルエンザっぽい。案の定、翌日の今日はちゅんちゅんまで発熱し、付き添いのため半日、内科と小児科の待合室で過ごすはめになった。

 風邪にしては嵯峨くんの体調の悪化が急すぎると思ったし、朝起きて来た時のちゅんちゅんの表情にも妙に翳りがあった。

 忙しさにかまけて見て見ぬふりをしてしまいがちな日常の中の違和感は、たいてい正しいのだ。気のせいかもしれないと思うことが、運命の岐路になることもある。