空のっぽと雲ひげ

サンドアートとつれづれ日記

夏の朗読会

 昨日、渡辺淳一文学館で開催された「夏の朗読会 榊寿之 with 田中隆子」を聴きに行って参りました。お二人には、昨秋のどうたの会で主催した「語りと朗読のセミナー〜声と言葉の力」の朗読部門で講師をしていただいた経緯があります。当然のことながら、自分が主催するイベントでじっくり聴くというのは無理だったので、今回はそうさせていただこうと、かなり期待に胸を膨らませ足を運びました。はたして・・・、本当に本当に、素晴らしかったです〜!個人的には、前半に榊さんが朗読された内田百聞の「蜻蛉玉」やお二人の掛け合いで読まれた志賀直哉の「転生」がとっても面白かったのですが、他の演目に関しても心から楽しめました。

 声調・緩急・想像から創造するイメージの表現。それぞれをあえて自己完結させないトラップ(私はこれを「マイナスの表現」、と呼んでいます。例えば、話し手が表現をわざと8割程度に抑えることで、聴き手から残り2割もしくはそれ以上の想像力を引き出し、感動を共有するテクニック、という意味あいです)を随所に仕掛けて、聴き手をぐいぐいと自分の世界へ引き込んでいく話術・・・。

 「表現する」ということについて、あらためて考えさせられました。

 (忙しさを理由に、「今の自分にできる範囲」で無難にやり過ごそうとしていないか?

 「今の自分」を越えるために、まだまだできることがあるんじゃないか?)と、 久々にモチベーションのあがった日曜日でした。